まつやまワールド    WORLD  U

四国百名山・高縄山   2004.8.13


987m
北条市から見た高縄山(左・雲下)

 愛媛県の伊予市・松山市から、今治市・西条市にかけての部分を高縄半島というらしい。その語源はそこに987mの高縄山があるからだ。北条のゴルフ場でプレーをすると必ず目にする山だった。近くの山なので、いつでも行けると思っていたが、松山市へ行った機会を利用して訪れてみることにした。

 高縄半島で高縄山は最高峰ではない。高縄山系には、楢原山1041m、明神ガ森1217m、東三方ガ森1238mなどの山々が連なる。しかし、高縄山からの景色は抜群のはずであり、瀬戸内海の島々の向こうには本州が見えることも期待される。そのうえ、山頂まで車で行ける四国百名山であるため、この山系の中で最初に訪れることにしたのだった。

国道56号線余戸近辺から見た高縄山
 南予方面から高速道路で伊予ICに差し掛かる頃、松山市の向こう側に山系が見られる。これが高縄山系だ。高縄山は、この山系の北側つまり伊予IC付近から見ると一番左に見えている。ひょっとしたら高縄山が一番高いのかと思ったりするが、高縄山系もずんぐりとしていて、中部や南部にさらに高い山があるのだ。

 高縄山へ行くには、松山市内を抜け北条バイパスへ向かい、その途中で右折して山の懐へ入っていく。道は途中まで2車線であるがやがて単線の山道となる。山頂まで舗装がされ乗用車でも行くことが出来る。また、山頂には電波塔や中継所が立っており、ロケーションの良いことを証明しているかのようだ。もともとは神聖な神の住む山だったのだろうが、近代の利器が乗っ取ってしまっだ。山頂には数台の車を止めるスペースがあった。

山頂駐車場前の看板

高縄大権現の碑

県道から林道に入る付近より

山頂部は雪化粧

 ここには、高縄大権現が奉られていた。
 しかし、その祠は隅に追いやられ大きな電話の中継所が鎮座していた。境内なんかは見る影もない。一つ救いなのは、その現代の構造物を利用して高縄半島一帯を見渡すことの出来る、展望台が設置されていたことだ。訪問者はこの展望台に登って高縄山山頂に来たことを確信するのである。それは行楽気分で車で山頂まで来る人のことであるが、トレッキングでここを訪れる人も多く、またべつの魅力をここに立ち感じるのかもしれない。


南方面

北側のゴルフ場

南の山頂稜線

雲と同レベルの北(中国地方)方面
 展望台からの見晴らしは良く、晴れていればかなり遠くまで見渡せる。
 この日は、良い天気予報であったが高縄山系には雲底がかかり、そのうち晴れるかなと期待しながら登ったのだったが、山頂に到着しても同じ状態で、目の前を雲が次々と通り過ぎていった。山の天気は難しく、地上ほど昼間は青空が期待できない、きれいなのはやはり朝か夕方なのだと思い知らされたのだった。

高縄寺山門

高縄寺本堂

高縄寺境内にある高縄茶屋

高縄茶屋内部の様子
 高縄山頂付近にある高縄寺に立ち寄った。
 ここは、この地方の豪族であった河野家の菩提寺で、県指定の文化財となっていた。大変立派な寺で、訪れる人も多い。高縄茶屋もあるので、喉を潤したり休息や軽食を取ったりも出来るようだった。また、内部にはこのあたりで撮影されたのだろう、たくさんの写真が所狭しと飾られていた。おそらく、この店のご主人が趣味で取られたのか、登山者が撮ったものを飾られたのかだろうが、一見の価値がある。トイレもきちんと整備されていて、キャンプができる。


高縄山頂

北条市方面


サンセットヒルズゴルフクラブ

瀬戸内海・芸予諸島と中国地方方面
 期待していた景色であるが、道が樹林帯を進むため開けたところが限られていた。したがって、撮影ポイントについては定めにくいが、いつも阿賀行きフェリーで通っていた航路を逆に山から眺めたといった感じだった。眼下には、高さこそないが姿の美しい山が見られまたの機会に登ってみたくなった。
 サンセットヒルズゴルフクラブには何度も訪れたが、そこに高縄コースという名前が付けられており、その由来についても身をもって理解することが出来た。
 北条市からはやや奥へはいるため市内がよく見えるとはいえないが、後ろに海を控えた風景は素晴らしい。ここからの風景を見て愛媛県北部の地図を思い浮かべるものだった。


下山途中の中国地方方面の風景


 高縄山は近郊の山であり、アプローチも容易である。車で行けることが山の価値を下げたかもしれない。しかし、麓から自分の足で歩いてみて初めてこの山の良さを感じるのではあるまいか。学生時代、広島から船で松山にちかずいたとき大きくそびえるのが高縄山だった。その山の一部を知ることが出来、さらに訪れてそのよさを知ることが出来ればと思った。
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