まつやまワールド WORLD U
987m 北条市から見た高縄山(左・雲下) 高縄半島で高縄山は最高峰ではない。高縄山系には、楢原山1041m、明神ガ森1217m、東三方ガ森1238mなどの山々が連なる。しかし、高縄山からの景色は抜群のはずであり、瀬戸内海の島々の向こうには本州が見えることも期待される。そのうえ、山頂まで車で行ける四国百名山であるため、この山系の中で最初に訪れることにしたのだった。
高縄山へ行くには、松山市内を抜け北条バイパスへ向かい、その途中で右折して山の懐へ入っていく。道は途中まで2車線であるがやがて単線の山道となる。山頂まで舗装がされ乗用車でも行くことが出来る。また、山頂には電波塔や中継所が立っており、ロケーションの良いことを証明しているかのようだ。もともとは神聖な神の住む山だったのだろうが、近代の利器が乗っ取ってしまっだ。山頂には数台の車を止めるスペースがあった。
ここには、高縄大権現が奉られていた。 しかし、その祠は隅に追いやられ大きな電話の中継所が鎮座していた。境内なんかは見る影もない。一つ救いなのは、その現代の構造物を利用して高縄半島一帯を見渡すことの出来る、展望台が設置されていたことだ。訪問者はこの展望台に登って高縄山山頂に来たことを確信するのである。それは行楽気分で車で山頂まで来る人のことであるが、トレッキングでここを訪れる人も多く、またべつの魅力をここに立ち感じるのかもしれない。
この日は、良い天気予報であったが高縄山系には雲底がかかり、そのうち晴れるかなと期待しながら登ったのだったが、山頂に到着しても同じ状態で、目の前を雲が次々と通り過ぎていった。山の天気は難しく、地上ほど昼間は青空が期待できない、きれいなのはやはり朝か夕方なのだと思い知らされたのだった。
ここは、この地方の豪族であった河野家の菩提寺で、県指定の文化財となっていた。大変立派な寺で、訪れる人も多い。高縄茶屋もあるので、喉を潤したり休息や軽食を取ったりも出来るようだった。また、内部にはこのあたりで撮影されたのだろう、たくさんの写真が所狭しと飾られていた。おそらく、この店のご主人が趣味で取られたのか、登山者が撮ったものを飾られたのかだろうが、一見の価値がある。トイレもきちんと整備されていて、キャンプができる。
サンセットヒルズゴルフクラブには何度も訪れたが、そこに高縄コースという名前が付けられており、その由来についても身をもって理解することが出来た。 北条市からはやや奥へはいるため市内がよく見えるとはいえないが、後ろに海を控えた風景は素晴らしい。ここからの風景を見て愛媛県北部の地図を思い浮かべるものだった。 下山途中の中国地方方面の風景 高縄山は近郊の山であり、アプローチも容易である。車で行けることが山の価値を下げたかもしれない。しかし、麓から自分の足で歩いてみて初めてこの山の良さを感じるのではあるまいか。学生時代、広島から船で松山にちかずいたとき大きくそびえるのが高縄山だった。その山の一部を知ることが出来、さらに訪れてそのよさを知ることが出来ればと思った。 |