まつやまワールド    WORLD U

2006.5.6
美ヶ原 2034m

王が頭ホテルから美ヶ原と蓼科山

 「全く、桁が外れて広い。美ヶ原の範囲はどこまでを指すのか知らないが、南の茶臼山から北の武石峰まで、広濶な山上の草原が、果てしもないように続いている。さあ、どこでも勝手にお歩きなさい、といった風に続いている。」と深田久弥は日本百名山の中で美ヶ原について述べている。

 交通が便利になった今日、美ヶ原は車で容易に行くことができる。しかし、深田が日本百名山に取り上げたのは、この広々とした他にはない原っぱのせいではなかろうか。「登りついて不意にひらけた眼前の風景にしばらくは世界の天井が抜けたかと思う。」と尾崎喜八が「美ヶ原熔岩台地」の中で歌ったのであったが、その高さに広さを加えるとまさに日本一なのだそうだ。

 美ヶ原は何度か訪れたことがあったが、観光気分でしかも家族連れで来たりしていて、とても美しの塔までもいくことをしなかった。したがって、ここを歩くのは今回が初めてと言っていい。王が頭ホテルに宿泊したかったのだが、今回はゴールデンウィーク中ということもあり、その願いは叶わなかった。

 王が頭ホテルまで駐車場から歩いていってみた。美ヶ原の山頂は王が頭であり、そこが最高点ということで是非ともそこからの風景を目に焼き付けたかったのだった。見た目に、広々としているため直ぐ近くに思えたのだが、歩くと何キロかあるようで、歩いても歩いても王が頭ホテルにはたどり着かなかった気がする。

 緑一面の草原を想像していたが、5月は2000m級の山々ではやっと春になるところだった。まだまだ雪が至る所に残り、また、周りの山々にも雪渓などがたくさんあった。次回はもっとのんびりとこの草原の小屋に泊まってみたい。

6日:12:50 山本小屋手前駐車場 =>13:05 美しの塔 =>13:15 塩クレ場分岐 =>13:40 王が頭ホテル 昼食

14:20 王が頭ホテル発 =>14:50 美しの塔 =>15:00 駐車場  中央道・名神・ダイヤモンドフェリーで帰る

<写真をクリックすると拡大します>
1.山本小屋・ふる里館前駐車場

 ビーナスラインからアプローチすると、ここからが美ヶ原のもっとも近い入り口。100台程の車が駐めれる。
 ここから王が頭ホテルまではそれほどの起伏はない
2.ふる里館

 みやげもの売り場やトイレなどがある。なお、トイレは有料だ
3.山本小屋

 車が多いから、こんなところにまで観光客の車が駐めてある。なかなか、美ヶ原は俗化してしまったのだ
4.美しの塔

 写真や本などでは見かけたことがあるが、あれが美しの塔。ここまでほとんどフラットな道を歩く
5.美しの塔と王が頭ホテル

 美しの塔のすぐ後ろに王が頭ホテルと電波塔群があるが、かなり遠くて時間がかかった
6.霧ヶ峰

 中央部が車山。霧ヶ峰は車で通ったのではその山容がわからない。主峰というかピークが車山で、写真全体が霧ヶ峰ということを今回初めて知った
7.美しの塔にて

 美ヶ原は、山麓の住人の山本俊一氏がこの高原を愛して、道を開き、山本小屋を作った。その山本翁を記念して、この塔ができたということだ
8.山本翁のレリーフ

 塔の後ろから入って、鐘を鳴らすことができる。その入り口の上にレリーフがあった
9.王が頭ホテル

 美しの塔から15分くらいで着くかと思ったが、いくら歩いても近くに寄っていかない。
 多数の人は、美しの塔まで来て引き返すようだ
10.高原は牧場

 ここに牛がいたり、緑の草が一面に生えていたら良かったのに、と思う。
 向こうに見える柵にそって歩いていったその先に王が頭はある。やや勾配もある
11.残雪

 今年は雪が多いせいが、残雪が柵を壊しかけているところもあった
12.王が頭は近づいてきたけれども

 美ヶ原はそれ自体が山の山頂という感じだから、風がとても強かった
13.いよいよ王が頭ホテルが間近に

 ここからホテルまでが近そうに見えて遠い。このホテルの裏側が王が頭山頂
14.王が頭ホテル付近から美しの塔

 美しの塔と山本小屋が見える。背景の山全体が、美ヶ原高原美術館のオブジェとなっていた
15.乗鞍岳

 まだまだ雪の中。冬山の世界のようだ
16.穂高

 松本平を挟んで、穂高連峰までよく見えた
17.四阿山方面

 美ヶ原の北方向になるが、菅平に聳える四阿山と根子岳
18.王が頭ホテルと王が鼻

 ひたすら似たような風景のところをひたすら歩く。王が頭ホテルに着いたら昼食をとるのだけが楽しみだった
19.美ヶ原と蓼科山・八ヶ岳

 ここまできてやっと美ヶ原の全貌が見えてきた
20.王が頭ホテルより美しの塔

 こちらから見ると美しの塔も随分と小さく見える
21.山本小屋と美ヶ原高原美術館方面

 山本小屋から王が頭ホテルまでは、丁度L字のようになっている。森が見える部分は、ちょうどLの字の角に当たる部分
22.王が頭ホテル前にて

 ここまでくるとさらに風が強まる。景色は随分歩いたにもかかわらず、ほとんど変わらない。王が頭ホテルが目の前に来ただけだ
23.これが王が頭ホテル

 残念ながら宿泊はできなかったが、山小屋進化したホテルという感じ。冬に宿泊するのもいいかもしれない
24.王が頭ホテル前庭

 やっぱり、まだ春が来てないのか枯れ野です
25.王が頭ホテルから見た美ヶ原

 世界の天井が抜けた、というのがわかるような気がする。山頂だけが平らでやさしいのだ
26.王が頭山頂の碑 2034m
 
 あまりぱっとしない、山頂らしくない山頂でした
27.電波塔群

 王が頭ホテル裏は、テレビ局などのアンテナが林立。異様な風景を見せる。関係者は車でここまで来れるらしく、自然が破壊されている
28.神社

 神社も祭られているが、店じまいしたのかと思わせてしまう
29.王ガ鼻 2008m

 ここから20分かかるそうだ。景色は十分王が頭で楽しめるので、ここから引き返すことにした
30.塩クレ場より美しの塔へ歩く

 柵の外側は牛の放牧場となっているのだが、まだ牧草が生えていないので牛たちは山麓にいるのだろう。
 美ヶ原らしい風景でなかなかいい風景だった
31.美しの塔まで帰る

 とにかく、同じところを延々とあるくのが、山本小屋からの王が頭コースだ。いつも同じような風景で、登山としてはおもしろくない。
 楽勝の百名山だった
32.山本俊一翁の像

 山本翁がここに道をつけ、粗末な笹小屋をたてたことから、この地の発展が始まったそうだ

 こんな百名山の旅もあるのかな


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