まつやまワールド    WORLD U

石鎚山 1982m
2006.10.15

天狗岳・朝日と紅葉


南先鋒の色づき 登山道から瓶ヶ森


 最近は毎年のように石鎚山へ行っている。今年は近所のグループ、馬場プロデュースで行こうという盛り上がりもあり、どうせ行くんだったら紅葉の頃が良い、ということで10月15日に石鎚山登山を決行することになった。たまたま天気も良さそうで、四国山の会のメーリングリスト情報から判断すると、15日は最高の紅葉が見られそうだった。また、ご来光も期待できるくらいの気圧配置なので、山頂に宿泊するのがベストと思われた。

 どうしようかと2,3日前に思案しているところへ同じ団地に住む三瀬さんが現れた。どんな装備が必要かの確認だったが、その場で石鎚山頂小屋へ電話を入れると、たまたまキャンセルが出て2名なら宿泊ができるとのこと。早速予約した。

 14日は山頂泊なので、夜までに小屋へ到着しなければならない。しかし、高気圧が北に偏って通ったため14日はやや雲が出ることが予想された。15日も快晴となるかどうかわからない。そこで、14日はなるべく遅く出ることにした。夕焼けが撮影できないだろうと考えたからだった。しかし、これは行ってみて失敗だと気づいた。秋の日の入りは早く、また、日没後辺りがあっという間に暗くなった。最後には、ヘッドライトが必要になる頃、午後6時過ぎに山頂小屋へ着いたのだった。

 土小屋コースから午後4時前に出発したのだったが、これは明らかに遅すぎ。もっと早く出発すべきだ。いずれにせよ、ガスの中で景色は抜群というわけではなかった。しかし、山は早着が原則。
 頂上から1.1km下、つまり二の鎖下400m付近で動けなく無くなっている久万高原町から来たという親子と出会った。母親は60代くらいかと思われたが下山中体力消耗のためか、動けないという。しかし、時間が遅すぎる。間もなく日の入りが迫っていた。その二人に付き添って、小学生低学年の子供二人を連れた4人家族がいた。このままでは、この元気な4人家族も土小屋登山口に到着する前に暗闇となり、身動きができなくなってしまう。おまけに、山の装備や非常食、ライトなどは全く所持していないようであった。
 まず、第一にこの家族4人連れに急いで下山して、土小屋登山口の小屋に動けなくなっている人がいることを伝えるよう依頼。そして、子供の人は元気そうだったのでお母さんのそばを離れないようにお願いして、我々は山頂小屋に救助をお願いすることにして、山頂へと急いだ。二の鎖付近で携帯電話が通じたので、山頂小屋に報告と対応をお願いした。丁度、三の鎖付近で山頂小屋から救助に向かう人に出会った。
 その後、山頂小屋では毛布を持って二人が救助に向かった。また、土小屋からも救助に向かったということで、心配しなくてもいい、と小屋のスタッフから連絡があった。

 山頂はガスの中で、食事をすると後は寝るだけ。山頂小屋は満員。泊まれただけでもラッキーだったのかもしれない。夜中に外に出てみると、やっとガスが晴れてきて満点の星空。午前0時頃だった。実はこのとき水平線から出てくる月の出を生まれて初めて見た。暗闇の東の空に赤い点が輝き初め、それがだんだんと近づいてくるようだった。5分くらいは何が起こっているのか訳がわからず、不気味だったのだが、月とわかってほっとした。

 
 15日は、寝ていると風が強いような窓の音がしていて、ご来光は見えないだろうと思い朝の6時くらいまで床にいようと考えていたのだったが、三瀬さんに5時過ぎに起こされてしまった。快晴でみんな三脚立ててご来光を待っている、というので私も三脚とカメラをもって定番の場所へ行った。やっぱりご来光は6時10分過ぎで、強い風の中1時間近くご来光を待って夜明けのドラマを見つめていた。

 ご来光はこれ以上ない、というくらいの真っ赤な朝焼けと紅葉を見せてくれ、最高だった。団体と一緒になったため、食事も後回しにされ、南尖鋒往復もタイミングがずれて食後となってしまった。そのような事情で下山開始が遅くなったため、当日日帰り組のメンバーと出会う場所が、かなり二の鎖よりになった。まあ、先を急ぐわけではないので、途中でコンソメスープなどを窘めながらのんびりと帰った。岩屋荘の温泉も12時からなので入れないかと思っていたが、遅くなったため丁度営業を始めた頃に着き、温泉でしっかり疲れをとることができた。15日は三瓶の秋祭りで、下山後は何軒かの家を回って、秋本番を実感した日曜日となったのだった。



弥山 1974m

14日:16:00 土小屋=>17:15 東陵分岐 =>17:55 二の鎖 =>18:20 石鎚山頂小屋

15日:9:00 山頂発 =>9:15 二の鎖 =>9:50 東陵分岐 => 休憩・軽食 => 11:00 土小屋

<写真をクリックすると拡大します>
1.石鎚神社 土小屋拝殿

 いつもの駐車場。観光客的な人が多いような気がした。山頂にはガスがかかり初め、前途多難。神社で石鎚山を参拝して登山道へと向かう
2.土小屋登山口 16:00

 あっという間にこの辺りまでガスがかかり始めた。久万高原町当たりまでは青空が見えていたのに、山はやっぱり違うなあ。
3.第一ベンチ休息所 16:30

 多くの人が休んでいるので、ここではちょっと腰を下ろした程度で出発。
 下山している人々だった
4.休息所を越えて登る

 いよいよ登りが本格的になってくる。ガスがかかりはじめ、いやな予感。写真は撮れるうちにたくさん取っておこう
 もう、登る人はいない
5.紅葉に期待感が高まる

 真っ赤に紅葉した木も現れてきはじめる。山頂がどれくらい紅葉しているのか、この時期に登山することが本当に良かったのか、やや不安を感じながら登っていった。
 休憩は、東陵基部で大休息することにした
6.東陵基部を越えたところ

 ますますガスが濃くなる。このような天気で同行者に申し訳ないような気分になる。
 しかし、まあこれも山登りだ
7.二の鎖下

 日没が意外と早いので驚き。ここからはどんどんと暗くなっていった。ここで頂上山荘と電話連絡を取り、救助のお願いをした。
 機材が重いので、今回は鎖を登らず回り道をすることにした
8.真夜中の頂上神社

 高山病にかかりやすいのか、どうも山小屋では夜眠りにくい。疲れているのにぐっすり眠れない。高山病の一種だと聞いたことがある。
 真夜中に外へ出て写真撮影。意外と寒くなかった。
9.真夜中の山頂小屋

 小屋を懐中電灯で照らして撮影。
10.ご来光を待つカメラマン

 さてさてベストポジションはどこでしょう?いつも多くのカメラマンが列を作る。みんなファインダーを必死に覗いている


東陵の色づき ご来光


11.西ノ冠山裾野

 朝日に紅葉が赤く色づく。とてもきれい
12.天狗岳山頂にて 1982m

 毎度ですが天狗岳へ。ここが西日本で最高の高さのところ。
13.二の鎖を見下ろす像

 天狗岳から見ると常緑樹もたくさんあった。赤くなる木は半分くらい
14.成就社へと続く尾根

 実は成就社ルートはこれまで歩いたことがないのだ。どっちがいいんだろ?
15.南尖峰より天狗岳を望む

 このアングルはあまり面白くない気がする。天狗岳の後ろにすぐに尾根が連なっており、荒々しさを打ち消すような写真になってしまう
16.天狗岳南面

 手前に樹木を入れてアップすればこうなる。しかし、このアングルもあまり見かけない。やっぱり天狗岳はあのアングルに限る!
17.墓場尾根

 大砲岩のちょっとしたの柱状節理のような岩。50m以上、頂上より下るだろうか?
18.大砲岩

 前回は大砲岩までいったが、今回はここで引き返すことになった
19.瓶ヶ森

 瓶ヶ森は1896mと約100mほど石鎚山より低い。いつも雲がかかっていて、これだけ見えるのは珍しいと思う
20.西ノ冠山

 色づく木々はすべて最高の時を迎えていた。次回は西へも足を伸ばしたいところだ

天狗岳より南尖鋒 二ノ森と西ノ冠山

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