まつやまワールド    WORLD U
大峰山八経ヶ岳 1915m
2006.5.4


弥山との鞍部から見上げる八経ヶ岳

 大峰山は一つの山を指すのではなく、北は吉野から南は熊野の本宮辺りまでに達する山脈の総称で、その最高峰が八経ヶ岳である。その他にも、大峰山寺や西覗岩など有名な山上ヶ岳1719mや日本200名山に挙げられる釈迦ヶ岳1800mなどが含まれる。
 大峰山は奥駆けの道として世界遺産にも登録されているが、百名山ということになると八経ヶ岳がその代表といえるのだろうということで、行者還トンネルから奥駆けの道へ出て弥山を経て八経ヶ岳を目指した。

 四国からは、3日夜に今治港からダイヤモンドフェリーで神戸へ。4日5時半に六甲アイランドに上陸して阪神高速・阪奈道路経由で天理ICへ。朝食をとって天理市を天理教おやさと館を見ながら南下。桜井市・明日香村を経てR169,R309をたどり、川迫川渓谷を行者還トンネル西口へ向かった。すでにトンネル手前は多くの車が止まっていた。おそらく山へ登るのは我々が一番遅い時間となるのだろうという状況だった。

 もうすでに下山している人とも出会うことがあり、弥山小屋に宿泊した人かとも思われた。登山道は上りはじめは少し沢沿いに歩くだけで、すぐに急登となる。しばらく木の根っこが這い蹲っている歩きにくい登山道を我慢して登る。1時間もかからず行者還岳から続く尾根道の奥駆けの道へ出た。それから30分ほどは緩やかな起伏の道を弥山を目指して歩く。木々はGWというのにまだ冬の装いで新芽の芽吹く前だった。

 このなだらかな尾根道は、理源大師像・聖宝宿跡のある弥山直下まで続く。この像でまた一休み。急登に備える。ここから弥山まで1時間弱ほど要したが残雪も現れ、登山道も雪解け水でジクジクになってきた。しかし、木製の階段なども整備されておりそれを延々登るとお昼頃弥山山頂へ到着しコンビニ弁当を食べて一休み。

 昼食後、天河奥宮を参拝した跡、八経ヶ岳を目指す。弥山からはいったん下り鞍部に出た後再び登り還す。30分ほどで山頂到着。展望もよく、山上ヶ岳から行者還岳、弥山を経て八経ヶ岳へ続き、さらに仏生ヶ岳、釈迦ヶ岳へと続く奥駆けの道が一望できた。長居は無用で証拠写真を撮った後、弥山へと引き返す。

 そこからは、元来た道を引き返すだけなので、急坂を下り、尾根を歩き、再び木の根っこだらけの急坂を下った。すでに下山する人は少なくなっていたが、出会った人と言葉を交わしながら下山した。夜は山頂泊かと思われる人たちも山頂を目指していた。最後の下りの急坂辺りになるとほとんど人が見られなくなり寂しくなってきた頃、行者還トンネル西口へ到着。途中、川で顔を洗ってすっきりして登山を終えた。我々が車に着いたときには、朝あれほどたくさん駐まっていた車はほとんどなくなっていた。

 その後、行者還トンネルを抜け、169号線に出て、上北山村温泉で登山の疲れをとり、夕食を取って大台ヶ原へ向かった。


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1.川迫ダム湖

 弥山発電所付近。キャンプ場上流になる。
水が限りなく透明で印象的。
2.行者還トンネルへ続く国道309号

 このような山道を通っていると、道を間違えたのではないかと思うくらいの悪路だった。林道と思えば苦にもならないのだが、やや不安になる。
3.行者還トンネル西口へ到着 9:30am

 すでに駐車場は車で一杯で、ずっと下の道路脇に車を駐める。
4.行者還トンネル西口登山口

 ちょうどトンネルの手前に川があり、それを渡ると登山口がある。この川に沿ってしばらく上流へと進む
5.行者還トンネル西口

 このトンネルは冬期通行止め。大川口にゲートがある。
 八経ガ岳へはここから登るのが最短ルート。さすがに駐車している車が多い
6.いよいよ登山開始 9:28am

 もうこの時間から山に登る人はほとんどいない。やはり、山は早出早着が原則だから、こんなに遅く登り始めたら午後からの行動が危ない気がする。
 しかし、前日にフェリーで四国を出たものにとってはこれでも精一杯のスケジュールなのだ
7.しばらくはなだらかな道が続く

 春の新芽は出始めようとしているのだが、まだまだ冬の名残が。雪解けは済んでいる程度だった
8.すぐに急登になる 9:33am

 ここからが登りにくい急な登山道となる。展望も効かない。奥駆けの道に出てどのような風景に出会えるかだけに期待がかかる
9.しばらく続く山道

 ざらざらと滑ったりもする急な山道を登る。標準時間は50分。このような道が続くと思った方が間違いない
10.木の根がはびこる

 多くの登山者が歩くせいか、土が取れてしまっているようだ。このような所は非常に歩きにくかった
11.熊野古道に合流 10:24am

 ここまでが急登で大変。結局、最初の1時間でかなり応える。ここからは、行者還岳からの世界遺産・奥駆けの道と合流する
12.行者還岳方面

 尾根に出ると道がなだらかなので一安心した。しばらくは、稜線歩きが続く。
 ゴールデンウィークというのに、春の芽吹きは一切感じられない。枯れ枝の梢ばかりだ。
13.大峯奥駆道の碑

 世界遺産に指定されたこともあり、整備が進んでいた。出会う人も多く、観光山登みたい。
14.奥駆道出会いで大休息

 これまでの道が厳しかったせいか、多くの人がここで休む。名古屋から来られた方と話をしたりして道連れとなる
15.休息中にルート確認

 これから先の道の様子とか、時間の目安をつける。地図を読むことは重要だ
16.弁天の森 10:53am

 奥駆けの道をしばらく歩くとやや小高い弁天の森にやってくる。標高1600m、あと300mくらい頂上まであるみたい
17.八経ヶ岳・弥山を望む 11:03am

 弁天の森を越えると、ここから唯一大峰山の主峰・八経ヶ岳を展望できるところがある。ほかの場所は木々の間から山頂を望むのだが、ここからはダイレクトに見ることができる
18.八経ヶ岳山頂

 八経ヶ岳は山脈の中でぴょこっと高いというだけでそれを代表しており、その山自体の容姿が美しいと思うようなものではない。
 しかし、最高峰というだけで価値があり、それだけで多くの人が訪れるのだ
19.弥山山頂

 八経ヶ岳へ行くには、まず弥山へ登らなければならない。弥山への道は、この急な斜面を登ることになる。
 何となく憂鬱な気分。
20.弥山全景

 ここらからが山容を楽しめる。大峰山は多くの山の集合体であるため、一つをとって素晴らしいという感じはしない
21.理源大師像 11:17am

 ここも代表的な休息場所で、マイルストーン。多くの人が休んでいた。
 ここから先が、再び弥山への急坂になる
22.弥山山腹を登る

 なかなか厳しい表情を見せる登山道。折り返しながら急な山を登っていく
23.行者還トンネルへ続く道

 朝、この道を通って登山口まで来た。尾根を回り込んだ右側が行者還トンネルあたり
24.弥山登山道中腹あたり

 この階段が現れたら、ここから先はややしんどい。といっても、他の山と比べると断然楽ちんな山道のような気もした。
 
25.弥山登山道折り返し尾根

 この尾根が弥山頂上から延びるもので道は急勾配になるが、頂上はもう少し
26.弥山頂上直下の登山道

 頂上付近ともなると残雪があった。滑り止めはいらないが、雪の上を歩くところも少々ある。後1週間で雪が消える
27.頂上目前 12:00am

 木々の間から山頂の小屋が見えるようになり、やっと頂上に到着したことを実感する
28.頂上到着 12:11

 弥山山頂は平らで広々としており、弥山小屋の施設が建っている
29.弥山でくつろぐ登山者

 弥山山頂では多くの登山者が昼食をとるなど、基地的な性格がある。小屋も宿泊でき、安心ができる。
 ここで昼飯。コンビニ弁当を食べた。
30.弥山山頂の到着口

 奥駆けの道を来た人も、ここに出てくる。白骨林が目立つ。
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