まつやまワールド    WORLD U

尾瀬2005 その3



53.燧ヶ岳登山道分岐 4:30am

 ここが燧ヶ岳柴安ー山頂2356mへ続く見晴新道への分岐だ。快適な木道歩きから急に本格的登山道となる。
 ここには、午前8時以降入山禁止と書いてある。すでに4:30amとなっており、入山できる時間はほんの僅かだ。
54.登山道の登り初め

 雪解け水が登山道を流れていた。この水を交わしながら前進する。
55.雪渓が現れる

 見晴新道へ入って20分前後で雪渓が現れた。結局、この雪渓は山頂部まで途切れることなく延々と勾配を増して続いていった。
 アイゼンとストックで対応できるか不安になった。
56.登山道の雪渓 6:05am

 午前6時過ぎになる頃には、雪渓も固くなった。アイゼンがよく効く。先行の登山者が諦めて下山して来た。昨日、見晴で見かけた人だった。アイゼンやスパッツを持ってなかったらしい。
 当然にして、登山は不可能ですよ、と言われたので、我々も不安になったが、頑張ってみることにした。
57.見晴新道から振り返る尾瀬ヶ原

 午前7時頃に登山道の後ろを振り返ると、尾瀬ヶ原の向こうに至仏山がきれいに見えた。
 このころになると、10分ごとに休んでばかりいて、あまり前進していなかったようだ。なんとか、20分は歩こう、と言葉を掛け合い、登った。
58.登山道雪渓の上部

 いよいよ延々と続いた雪渓が終わりとなるところ。すでに8時近くになっており、コースタイムで行くと頂上についていてもよさそうな頃。
 周りの風景が開け始め、やっと高山らしくなってくる。雪はたっぷりとあった。
59.雪渓の最上部付近

 ここに来て、夫婦の登山者に追い越される。
 午前五時に温泉小屋発らしい。それから見晴経由で来て8時には我々に追いついたのだ。慣れない雪道とはいえ、ここまで4時間かかっているので、1時間半は休憩していたことになる。
60.柴安ーへの最後の雪渓の壁 8:05am

 今、この雪の壁を登っているところ。かなりきつい角度。アイゼンを効かして慎重に登る。結構、怖かった。

 ここまできてやっと柴安ー山頂が見えてきた。
61.柴安ー頂上下から見る俎ー
 
 やっと俎ーの山頂が見えた。まだまだずっと先である。山頂に来ると登山道から雪はなくなってくる。アイゼンもはずした。
62.俎ー山頂

 俎ーへは、どうやら柴安ー山頂を経て行くみたいである。登って下ってまた登るのだ。かなり疲れてきていて、なんか前途多難、という気分になる。また、雪も残っているようで、無事に最後まで完遂できるか、自信を持てないくらいだった。
63.柴安ー山頂から見る尾瀬ヶ原

 ついに尾瀬ヶ原を燧ヶ岳山頂から見下ろす。
 前回は至仏山に登った。今回は相対峙する燧ヶ岳から尾瀬ヶ原を見下ろすことができた。前回は地塘がきらきらと輝いていたが、今回はそれは見えない代わりに、尾瀬の周囲の山々が我々を出迎えてくれたのだ。
64.柴安ー山頂 2356m

 地図上では俎ー2348mが記されているが、これは三角点があるためであろう。実際は、柴安ーの方が8m程俎ーよりも高いのだ。
65.柴安ーからみる至仏山

 至仏山は女性的でなだらかな印象である。登山道も鳩待峠から山頂へ稜線を歩くようにつけてある。しかし、尾瀬ヶ原への下山道はというと、至仏山の尾瀬ヶ原側正面を直滑降するように降りてくるので、大変険しい。
 ちょうど山頂から雪のない部分が下山道となっていた。
66.アヤメ平と武尊山(ホタカサン) 2158m

 アヤメ平は尾瀬の南西方向に位置し、約2000m弱の平地である。富士見小屋があり、愛好者の向かう場所となっている。
 武尊山は日本百名山。
 
67.越後駒ヶ岳 2003m

 燧ヶ岳から見て北西に見える。右のピークが越後駒ヶ岳で日本百名山。
 左のピークは中ノ岳2085mであるが、深田久弥は越後駒ヶ岳を日本百名山に選んだ。その理由は山として立派だからだそうだ。
 
68.尾瀬沼と日光白根山 2578m

 日光白根山は尾瀬沼を隔てて南に見える日本百名山。
 深田級弥は、山岳展望台として燧ヶ岳は無類の位置を占めている、と言っているように、日光の山、上越の山、会津の山、越後の山などたくさんの山が見えた。

 
69.大江湿原方面

 これから下っていく下山道方向。
 大江湿原には、大江川が流れ込み、この河口に長蔵小屋・尾瀬沼ヒユッテなどが立っている。
70.日光連山

 日光には結構高い山が多い。右端の男体山2484mをはじめ左の女峰山2464mなど、2000m級の山々が続く。
71.柴安ー山頂にて

 ここで記念撮影。午前9時になっていた。
 コースタイム3時間半のところ、なんと5時間かかっていた。雪が多かったこともあるが、ちょっとかかりすぎ。でも、撤退した人もいたことを考えると、無事着いたことに感謝すべきかな。
72.平ガ岳 2140m

 越後の日本百名山。利根川源流域の最高峰の山で、長く平らな頂上は甚だ個性的、と深田久弥はいう。遠くから望んでも一目でわかる。
73.至仏山 2228m

 尾瀬沼を引き立てるものが燧ヶ岳とすれば、尾瀬ヶ原のそれは至仏山であろう、と久弥は言った。その山頂部は岩がごつごつとしている。燧ヶ岳より、若干低い。
74.アヤメ平

 アヤメ平には、仙沢田代の他、中ノ原、横田代などがあり、そこから燧ヶ岳や至仏山の展望がよさそうだ。
75.武尊山 2158m

 この山をホタカと読める人は少ないだろう。ブソンなどと読んでしまいそうだ。深田久弥もそのようなことを書いていた。
76.見晴十字路の小屋と下田代

 燧ヶ岳柴安ーから見たところ。
 夕べの宿泊地。木道がまっすぐに山の鼻方面へと下田代の中を伸びる。
77.尾瀬ヶ原から山の鼻方面

 下部が下ノ大堀川付近。
78.竜宮小屋と下の大堀川

 中央部が竜宮小屋で、その上が竜宮、そしてその上部が下ノ大堀川。
79.温泉小屋方面

 ここは燧ヶ岳山麓の、見晴から北方面へ30分ほど段吉新道を行ったところにある温泉小屋。元温泉小屋もある。
80.東電小屋方面

 笹山の麓に東電小屋はある。ヨシッポリ田代が右上にあり、中央部には六兵衛堀とヨッピ川が合流して只見川となる辺りが見える。
 川の周囲に樹林があるが、これを拠水林という。

←前へ   次へ→
[Index] [Top] [MATSUYAMA World]